水とくらしの探検隊

〜夏草三中堰と椹平の棚田〜

(2005. 7. 2)



 今回で第6回目を迎えた水とくらしの探検隊は、夏草三中堰と椹平の棚田をテーマに、7月2日実施されました。前日まで台風の影響が心配されましたが、当日は穏やかな晴天に恵まれ、楽しい一日を過ごすことが出来ました。
 西五百川小学校に集合した参加者(西五百川小4年生親子50人、スタッフ12人)は、まずお米が出来るまでのお話や夏草三中堰の寸劇で学習したあと、案内人の斎藤利八さんを先頭に夏草三中堰巡りがはじまりました。維持管理の難しさや堰水門工事を成し遂げるまでの苦労話しなど、地域用水を守る立場として、体験を話して頂きました。
 夏草三中堰は、水口分水新堰として安政二年(1855)に考えられ、惣代名主阿部与三郎を筆頭に八ッ沼村名主佐竹三郎兵衛が中心となり計画されたものです。秋から冬にかけ工事が進められ、翌年の春から夏にかけては岩を切り通し堰路工事に従事したのです。様々な苦難を乗り越え、安政四年(1857)にこの堰は完成したのです。約150年の間、代々地区水利の方々が守ってこられた重みを感じながら、沢水が洪水で暴れて地形が壊されているエンザという所を探検しました。
 椹平の棚田については、案内人の海野祐吉さんから昭和十六年(1941)に始まった椹平開田の事や能中地区の人達が春夏秋冬8時間交代で行なった隧道工事の話を伺いました。全員が一丸となって頑張り早期に完成できた事は、いかに先人が仕事に対して信念を持ち偉大であったか頭が下がる思いでした。昭和二十年に水が音をたて水田に入った時には、今までの苦労も忘れ感慨無量な心境だったとしみじみ語って頂きました。
 志藤勝幸さんからは、棚田から100mも低い最上川より水を汲み上げている強力な揚水ポンプを案内して貰った後、現在の棚田の様子と一本松ヒメサユリ公園を中心に活動している事など様々なお話を伺いました。
全国棚田百選に選ばれた椹平の棚田を一本松公園から眺め、「棚田ママの会」の方々が作ってくれた芋煮は最高の味でした。



夏草三中堰の寸劇


夏草三中堰

エンザ

揚水ポンプ


ゴールの一本松で記念写真

椹平の棚田

「棚田ママの会」の方々が
作ってくれた芋煮

 


朝日町エコミュージアム