4. イカダ流し
 
 小学生の頃、イカダ下りを見た。あのころはイカダ下りがあった。イカダは木取りて言うか、最低13尺2寸(2間)切ったものだ。それと18尺(3間)ものがあった、長いものは。素切りて言うんだな、必ず2間もの、3間ものに切ったのだな。その2間もの、3間ものて6、7本組んでイカダにするんだな。それを俺は一連て言うんだけど。
 これが定尺ものて言うんだな。13尺と18尺のをこいつを組んで、これとこれを繋いでこれを一連として10連なんて長いのがあった。そら長い長い長い、これが酒田までいったのじゃないべか。どこから流れてくんのかしゃあないけど、飯豊だか長井だか流れてくんのだけど。
 イカダの泊まり場所が左沢の菊屋とかあそこらだったのじゃないか。二見屋もつないでいることはあったけど、そりゃ昼食とかなんだとかで簡単なもので、めったに泊まったとこは見たこともない。
 だけんども10連もあるイカダが、前さ一人、後ろさ一人て乗っているのだな。こだな、艪(カイ)て、大きなスギの木の板だな。こいつをあやつっていたんだな。
 俺奴だワクワクして「オーイ、オーイ」ていうとあたまさ傘かぶったイカダ乗りがちょっと手上げて、「オーイ」てよ。そしたら俺奴感動してよ、川の縁どんどん走って追っかけたものだ。うれしくってな。

(つづく)

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『 明 鏡 橋 物 語   談/菅井敏夫氏 聞き手/西澤信雄
コミュニティー情報誌“朝日町新聞”平成9年11月号より抜粋



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